- 2024年09月05日
- その他
適正かつ適切な会計・監査専門家ライセンスの申請基準の実施に関する決定
ACARは、2024年8月26日付で適正かつ適切な会計・監査専門家ライセンスの申請基準の実施に関するACAR決定第55号を発出しました。
本稿では、この決定の主要な内容について解説します。
1. 本決定の主要な内容
(1) 適用範囲
本決定は、会計・監査専門家ライセンスの取得・更新を希望する個人及び法人に適用されます。
(2) 適格性基準
申請者は、本決定別紙に規定された特定の基準を満たす必要があります。これらの基準は、財務の健全性、過去の処分歴、職業倫理の遵守状況を評価することを目的としています。
(3) 適用範囲の拡大
これらの基準はライセンスを保有者だけでなく、会計・監査サービスに関与する従業員、パートナー等にも適用されます。
(4) 内部手続きの整備
ライセンスを保有者は、関連するすべての人員が適格性基準を満たし、毎年維持されていることを確認するための内部手続きを確立する必要があります。
(5) 報告義務
ライセンス保有者は、その人員が不正、偽造、詐欺に関連する違反を犯した場合、または、商業、金融、破産等の分野で法的問題に直面した場合、直ちにACARに報告しなければなりません。
(6) 評価プロセス
ライセンス保有者は、基準不遵守の状況を評価する際、問題の深刻度、発生時期、クライアントへの潜在的リスク等の要因を考慮する必要があります。
2. 実務上の影響と留意点
(1) 審査の厳格化
本決定により、会計・監査専門家の個人及び法人に対する審査プロセスがより厳格になります。
(2) 継続的なコンプライアンス
基準を満たすことは一度きりではなく、継続的な要件となるため、定期的な内部レビューと更新が必要となります。
(3) 責任範囲の拡大
ライセンスを保有者は、コンサルタントやパートナーを含む幅広い関係者のコンプライアンスを確保する責任を負うことになります。
(4) ライセンス取消リスク
本決定は、ライセンス取消につながる可能性のある具体的な状況を明記しており、高い職業基準の維持の重要性が強調されています。
(5) 管理負担の増加
新たな要件により、特に監視と報告の面で、法人の管理業務負担が増加する可能性が高いです。